陸別鉄道でGO! 全盲運転手の誕生(日本初!)

イメージ 1


 障害のある人にとっても、旅することは、新しい体験を通じて、いろいろな世界を広げるきっかけをもたらします。盲学校の教員時代に修学旅行などで視覚に障害のある人たちと様々な旅を経験しました。その中で、鉄道に乗ることに興味を持つ人が多かった印象があります。今回、僕の教え子であるMさんが仕事でオホーツクに見えました。オホーツクの旅の様々な体験の中での選択肢として、この陸別鉄道での列車の運転の話をしたところ、ぜひ体験してみたいということで、今回それが実現しました。

イメージ 2


 陸別鉄道は、旧「ふるさと銀河線(北見-池田)」の陸別駅構内に敷設されている線路を利用して、ほんものの列車の運転の体験ができるところとして、人気を集めているところです。

イメージ 3


 今回は、この構内を2往復する運転の体験を全盲であるMさんが体験しました。視覚に障害があると、自動車の運転はもちろん多くの動くものを自分で運転するということはなかなかできません。しかし、今回はベテランの運転手さんの指導のもとにしっかり列車を運転することができました。

イメージ 4


 視覚に障害のある人が列車を運転したという事実は、たぶん日本の歴史の中でもこれが初めてのことではないかと思います。Mさんはとても緊張しながらも、重量のある列車を自分で運転できたことに非常に満足していました。

イメージ 5


 今回は、今年オホーツクで展開している障害のある人が障害のある人の旅をサポートするために研修事業の一環として、障害のある人が旅を体験する場所探しの一環として行われました。実は車いすの人もこの体験をしたかったのですが、汽笛を鳴らす作業が足を使わなければならないので、難しいのではないかと今回は全盲のMさんがチャレンジすることになりました。

 しかし、車いすの人でも足をペダルの上に載せて、足を手で動かすことで汽笛も鳴らすことが可能であることがわかりました。一つひとつ試行してみながら、障害のある人でも様々な体験のできる可能性を模索することが大事であることを再認識しました。

 現在、この陸別鉄道の運転体験は地元のボランティアの方々の協力で運営されています。こうした面白い事業が地元の方々に支えられているところあたりは、大変素晴らしいことだと思いました。

この記事へのコメント